丸竹ロッドとは竹の種類高野竹矢竹丸節竹布袋竹真竹竹の採取竹の乾燥生地組芽取り・袴取り火入れ・矯め穂先継ぎ手塗装ガイドの取付フィニッシュ |
ガイドの取り付けは、基本的にはグラファイトやグラスロッドと同じなのだが、竹の強度を維持するために、丸竹ロッド特有の制限がいくつかある。 ガイドの向き丸竹には、芽や枝の痕が節の両サイドに左右交互に付いているが、この方向に竹を曲げると、芽の痕の部分に力が集中して節の部分でから裂
けるように折れてしまう。特に穂先の細い部分でこの現象が顕著に現れる。そのためガイドはそれらの付いている面と直角の方向(両側の芽の痕の間の向き)に
取り付ける。一方丸竹にも、かなりはっきりしたスパインが存在するが、両側の芽の痕と真ん中の方向と外れていることもある。両方が同じ位置なら問題ないの
だが、異なる場合、キャスティング精度優先ならスパインの反対側、強度優先なら両側の芽の間の向きに取り付けることになる。どちらを優先するかは個人の
好みもあると思うが、私は強度を優先させるべきだと思う。 細い竹は節の芽の面方向に曲げると弱く、節から裂けるように折れてしまうため、ガイドは節の両側に交互についている芽の面を避けて取り 付ける。 ガイドの位置決めガイドの間隔はトップからバットに向かうに 従い少しずつ間隔を空け、ラインを通し曲げたとき全体に均等な負荷がかかるように位置決めする。スローテーパーなら全体に均一に、ファーストテーパーなら トップに集まる傾向になる。丸竹の場合は、できるだけ節を避け節間にガイドを節間に取り付けるようにする。 竹は、繊維の縦方向には強いが横方向の力に弱い。竹を曲げると節間の部分の繊維が横方向に引き裂かれ、広がるように折れる。この部分にガイドを付けラッピ ングで補強すれば節と同じ効果で強くなる。またガイド位置も含め、節間に一定間隔で補強のため段巻き(インターミディエイトトラッピング)を行えばさらに 強くなる。丸節竹の場合、節間の上1/3の部分が、直径が最も細く一番弱い。実際竹を曲げてみるとほとんどこの部分で折れる。ガイドのラッピングでカバー できない場合は、この部分に段巻きを行うと良い。 仮止めガイドの位置が決まったら、マスキングテープで仮止めして実際にラインを等して曲げて、ブランクに負荷が均等にかかっていることを確認 する。ブランクよりラインが極端に離れる過ぎる場所があれば、その部分にストレスがかかっているのでガイド位置を変更する。 試し振りガイドを仮止めしたら、仮のグリップを付け、実際にラインを通し振ってみると良い。選んだ竹のバランスが悪く目的のアクションが出なく てもこの時点なら、組み合わせる竹を替えてやり直すのも容易だ。 ラッピング丸竹ロッドは、完成後に曲がることもあり、 完成後も火入れ・矯めを行うことがあるので、ラッピングは熱に強く、糸の表面に繊維のケバが ない絹糸が向いている。私は手芸店で入手した#50のミシン糸を使っている。グラスや、カーボンロッドのラッピングに使 うナイロン糸は絹糸より熱に弱いが、慎重にあぶれば溶けることはないので丸竹ロッドでも使える。 左の画像は、丸節竹にナイロンでラッピングしてウレタンフィニッシュしたものを、火入れして曲げたもの。慎重に火入れすれば繊維も、塗装も傷まない。 |