丸竹ロッドとは竹の種類高野竹矢竹丸節竹布袋竹真竹竹の採取竹の乾燥生地組芽取り・袴取り火入れ・矯め穂先継ぎ手塗装ガイドの取付フィニッシュ |
前処理塗装を行う前に、竹の表面の汚れを取り、芽の痕を埋め、節を磨く。 目打ち芽や枝の跡が割れたり、水が入るのを防ぐためにエポキシ樹脂で補強する。和竿だと芽の部分に黒や赤の塗装をするがこれは実用面には関係
ない。 節磨き節の袴を削り取った部分を磨いて滑らかにする。和竿は木賊(とくさ)と呼ばれる草の茎で磨いて滑らかにするが、 短冊状に切った目の細かいサンドペーパーで代用可能。 表面の清掃竹の表面は滑らかで油が浮いているため、塗
装が乗りにくい。そのまま塗装してもすぐに剥がれやすいため、#400〜800位のサンドペーパーを全体に軽く
かけ、表面を荒らし塗装を乗りやすくしている。塗装前にラッカーシンナー等の有機溶剤で拭いて表面の油を取り除くと更に塗装が乗りやすくなる。 右画像 塗装私は竹と比較的相性の良い2液混合性のウレ タン塗料を使っている。薄め液で倍位に薄め下塗りする。ハケも使えるが、拭き塗りがお勧め。糸クズの出にくい長繊維の布に塗料をたっぷり含ませて竹を包む ように拭けば数秒でウソみたいに簡単でしかもきれいに仕上がる。昔はモスリンという布を使ったらしいが、今は入手困難なので私はとしさんに教えてもらった、ベンコットというクリーンルーム清掃用の長繊維不織布を使っている。入手できない人はガーゼ等の柔らかい 布を糸クズが出ないようにストッキングでくるんでも代用できるよう なので試してみてはどうだろう。 塗装は2〜3回ほど行う。ウレタンは乾燥が早く30分もすれば次の塗装ができる。塗装中、ゴミ等で表面に細かな凹凸ができたら #1000位のサンドペーパーをかければ目立たなくなる。筆を使う場合は、筆を早く動かしすぎると気泡ができるので注意する。気泡ができると、後の仕上げ がやっかいなため、固まる前に、針を使ってつぶす。 アイデア調合した塗料はフィルムケース等に密閉すれば、繰り返し使う時に便利で塗装が無駄にならない。左がカシュー、右が混合済みウレタン。2
液混合性のウレタンは混ぜた後でも、冷蔵庫等冷たい場所で保管すれば半日位は使用できる。 塗料の種類ウレタン2液混合のウレタン塗料は比較的肉厚で光沢のある塗装が容易にでき、竹との相性も比較的良く剥がれにくいため私は多用している。30分
もあれば乾燥するため重ね塗りも容易だ。熱にはあまり強くなく、熱を加えすぎると大きな気泡ができるが、弱火で慎重にあぶれば大丈夫で、充分実用になる。
ガイドのラッピング塗装に使った場合は、塗装前の糸の色より少し濃くなる程度でエポキシ塗装のガラスのような透明感は出ない。ウレタンの種類は、ラジコン
模型等で使われるエンジンウレタンが塗装が丈夫で剥がれにくくお勧め。 カシューカシューナッツシェルから作られたフェノール樹脂系塗料。うるしに似た仕上がりで熱にも比較的強いが、竹との相性があまり良くなく剥が れやすい。塗装後にガイドの仮止めのマスキングテープを外しただけで剥がれしまうことがある。このため私はカシューを使うときは、まずウレタン塗料を下塗 りしておいて、その上にカシューを塗ることにしている。順番を逆に(カシューの上にウレタンを塗る)とウレタン塗料の溶剤でカシューが溶け、シワになり塗 装がめくれて最悪の結果になる。 エポキシグラファイトロッドのフィニッシュに使われる2液混合のエポキシ塗料は、溶剤を含まず蒸発しないため、ガイドのラッピング塗装に使うと 2〜3回の重ね塗りで肉厚でガラス表面のような丈夫なフィニッシュができる。薄く竹全体に塗布すれば下塗りとしても使えると思うが、まだやったことはな い。 うるし本格的な和竿は、絹糸でラッピングして漆で仕上げる。いつかは使ってみたいが、かぶれたり、仕上げも難しく、時間と手間がかかりそうな ので躊躇している。本格的な和竿の仕上げをしてみたい方はチャレンジしてはどうだろう。
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