丸竹ロッドとは
竹の種類

高野竹

矢竹

丸節竹

布袋竹

真竹

竹の採取
竹の乾燥
生地組
芽取り・袴取り
火入れ・矯め
穂先
継ぎ手
塗装
ガイドの取付
フィニッシュ






特徴


高野竹

節が低く、硬く、肉厚で丈夫で、和竿ではへら竿に使われる。高野山周辺で多く取れたことからこの名が付いたようだ。直径5mm、高さ 1m位の細く背 の低いものが多いが、大きな物だと直径10mm、高さ2m位になる。葉が大きくクマザサに似ているが、クマザサのような白い縁はない。新子の高野竹は茎全 体が皮で覆われ、枝が無く、先端から葉が3枚出た独特な形をしている。枝は2年生から節から1本ずつ、左右交互に出る。2年生までの若い竹は茎が全て皮で 覆われているが3年で剥がれはじめ、4年生以降は皮が剥がれ緑色の茎となる。高野竹は古いほど硬くなり、珍重されるが、あまり古くなると橙色に変色し枯れ てしまうので、使えるのは5〜6年生までのようだ。古竹は、取ったときは綺麗な緑色をしているが乾燥中に表面にだんだんシミが浮かんでくる。和竿では紋が 出るといって珍重する。

高野竹の株

同じ株に

  • 茎が全て皮で覆われた若い竹
  • 皮が剥がれ始めた3年もの
  • 皮が全て剥がれ、根元に苔が生えた4年以上の古竹
  • 寿命で枯れ始めた竹(7〜8年位?)

が一緒に写っている



高野竹は矢竹と似ているが、矢竹より葉が広く、根本の数節には全く芽の後がない、節の反対側の膨らみが少ない、火入れ・油抜きのさい、 高野竹は茶色 のねばねばした液体が出る等で区別ができる。


取れる場所

標高800m前後の高地に群生する。沢沿いの急斜面に多い。本州では太平洋側のみで日本海側には生息しないようだ。葉がクマザサのよう に大きくどち らかといえば樹木の下などあまり日のあたらないやや暗い場所に群生する。あまり日のあたらない場所では背が高く緩いテーパー、日の当たる場所では背が低く テーパーがややきついものが多いので目的により場所を選ぶと良い。

高野竹の群生

高野竹の群生


用途

硬く粘り強い竹なので、フライロッドに使うと、スプリットケーンのバンブーロッドに近い感触の、トルクのある丈夫なロッドを作ることが できる。

バット

太い高野竹はバット部分に使用できる。バットに高野竹を使うと、スプリットケーンのバンブーロッドに似た、トルクのある素晴らしいフラ イロッドを作 ることができる。樹木の下などやや暗い場所に生えている長くテーパーの緩い物がバット部分に向いている。

ミドル

ミドルからトップにかけては、ある程度のテーパーが必要なので、比較的明るい場所で背が低くテーパーがきつい物を探すとよいだろう。

ティップ

高野竹はテーパーの緩い太い茎が、先端まで続くものが多く、フライロッドのティップに使えるものは少ない。ロッドティップに使える背が 低く、先端が 細く、テーパーのきつい竹は群生の下限の低い標高の日の多く当たる場所に多いようだ。高野竹のティップは、軽さと丈夫さを兼ね備えた素晴らしい特性を持っ ている。どうしても太物に目がいってしまうのだがこういった竹も探すのも面白い。

<