はじめに必要なものスパインの測定グリップの取り付けリールシートガイドラッピングフィニッシュ |
ラッピングスレッドでガイドをブランクに取り付けたら外れないように塗装する。塗装はエポキシ樹脂が一般的だが、ウレタン等の他の樹脂 塗料を使うこともで きる。 エポキシフィニッシュ準備するものエポキシフィニッシュFLEX COAT社 のLite Formulaがお勧め。2液を正確に計量するためのシリンジと、ロッドビルディングの本に匹敵する詳しいし フィ ニッシュの解説もついている(ただし英語)。釣具店でも売っているが、以前国産のロッドフィニッシュ用のエポキシを使ったら、2度塗りのとき塗装がはじい てひどい目にあったことがあり、それから使ったことがない。 容器2液を混ぜ合わせるため、小さな皿を用意する。紙や木など多孔質のものは混ぜ合わせるときに小さな気泡が出やすいため避ける。 ブラシラッピングにエポキシを塗布するためのブラシ。ガイドのラッピングと同じ幅の物が使い易い。私はトールペイント用のナイロン筆を使って いる。 ドライングモーターエポキシ塗料を塗った後そのまま放置すると、液ダレを起こし下の方の塗装だけが厚くなってしまうので、硬化するまでの間、ロッドブラン クをドライングモー ター6−30rpm位のスピードでゆっくり回転させて液ダレを防止する。 フィニッシュ1回目ラッピングスレッドに油脂等が付着しているとエポキシ樹脂がスレッドの中に浸透せず、気泡ができてしまい、エポキシフィニッシュの特徴 である、スレッドが 半透明になるガラスのようなフィニッシュができない。ラッピング前にエポキシ薄め液をスレッドに塗るとスレッドの気泡を完全に追い出してくれる。その後か らエポキシフィニッシュをすれば、スレッドに気泡 が入 ることはない。先に塗った薄め液はエポキシと混ざりながら蒸発して置換されるので、ガイドとブランクの隙間にもエポキシが隙間なく入り、丈夫なフィニッ シュができる。 2回目重ね塗りして肉厚のガラスの表面のような表面にする。エポキシ塗装は約24時間で硬化する が、完全に固まるのに1週間程かかるので、それまで釣りに使わないほうが良い。 塗りむらの防止エポキシフィニッシュは硬化が遅いので、塗装に多少塗りむらができても、ドライングモーターで回転していれば、硬化する前に表面が均一
になる。しかしフェルールや、飾り巻き部分などの広い場所を一度に塗るときは塗りむらが出やすい。そんなときはエポキシフィニッシュをエポキシ用の薄め液
で少し薄めてから塗ると均一な塗装になる。エポキシ薄め液の代わりにラッカーシンナーも使えるが、溶剤との相性があるのか表面が曇って光沢が出なくなるも
のもあるので、使う前に少量を試し塗りして確かめた方が良い。エポキシを薄めて使うときは薄めの塗装を3回繰り返すと失敗が少なくなる。 エポキシフィニッシュの注意医療用シリンジ(注射器)は使わない医療用の注射器はシリコン系の潤滑剤が使われれいる。エポキシフィニッシュにシリコン系の不純物が混じると、塗装がはじいたり、気泡が
できたり、表面の光沢がなくなったりと最悪の結果になるので、医療用のシリンジは使わない方が良い。またフライフィッシングのアクセサリーにはドライフラ
イ用のフロータントやラインドレッシングなどフライフィッシングではシリコンが含まれたものが多くあり、不用意にラッピングスレッドに着くと同じことが起
きるので注意が必要。 温度気温が25℃以下のときは、混ぜるときに気泡が出ないように、両方のボトルを30℃位まで暖める。 ウレタンフィニッシュ特徴ウレタンはエポキシに比べ硬化が早いので薄く何回も重ね塗りをすれば液ダレしないのでドライングモーターは不要。逆に厚く塗ってドライ ングモーターで回しても乾燥が速すぎて、塗装が表面で均一になる前に硬化してしまうので上手くいかない。最初の塗装の薄いうちはは30分もあれば乾燥する が、塗装が厚くなるに従い乾燥時間は遅くなる。塗りを重ねるとどうしても表面に凹凸ができてしまうが最後に#1000位の耐水ペーパーで研いで表面をなら してから車用のコンパウンドで磨くと楽器の表面のような光沢が出る。 エポキシとの併用ウレタン塗装はエポキシに比べ乾燥が速く、溶剤が蒸発すると容積が減るため、ラッピングスレッドの中に気泡が入りやすく、エポキシのよ うにスレッドが透けて見える半透明のガラスのような仕上がりにはならない。最初の1回目をエポキシフィニッシュして、2回目以降をウレタンで仕上げること もできる。エポキシとウレタンを併用する場合、下地のエポキシは市販されている硬化時間の早い普通のエポキシ接着剤をエポキシ薄め液で薄めたものを使うこ とができる。市販のエポキシ接着剤は硬化したときに表面のつやが出ないことがあるが、上からウレタンコートをすれば問題ない。 リカバリーフィニッシュに失敗しても後からある程度のリカバリーができる 糸くず、ゴミが付いたラッピングの糸からケバがでたり、ゴミがつくと、その部分の塗装が盛り上がってしまう。1回目の塗装の場合、塗装の硬化後に刃先の鋭い カッターで盛り上 がった部分を削り取ると、2回目の塗装で目立たなくなる。 |