はじめに
必要なもの
スパインの測定
グリップの取り付け
リールシート
ガイド
ラッピング
フィニッシュ


 
 


ガイドの大きさや取り付け位置は同じブランクを使っている完成品のロッドを参考にするのが一番手っ取り早くて確実だ。 強度、アクションと使いやすさが最適な数と位置にガイドがセットされている。 参考にするロッドがないときは、私は下記の方法でガイド位置を決めている。


ガイドの数

海外のフライロッドのガイドの数(スネークガイド+ストリッピングガイド)はだいたいロッドの長さをフィートで表した値+1または+2 になって いる。しかし対象魚 が小さい国産の渓流用ライトラインロッドは軽量化のためこれより少ないものも多い。

ガイド数参考: Angler's Workshop カタログより

ロッド長 ガイド数
ロッド長 ガイド数
5'6"
7

7'6"
9
6'0"
7

8'0"
9
6'6"
7

8'6"
9
7'0" 9

9'0"
10


ガイドの種類と太さ


トップガイド(Tip top)

トップガイドはチューブの内径がブランクの穂先と同じか少し大きいものを選ぶ。穂先を削って小さめのトップガイドを無理やり押し込める と強度が低下する ので止めたほうがよい。トップガイドの大きさはチューブの内径を1/64インチの倍数で表す。

大きさ 内径(mm)
大きさ
内径(mm)
3.0
1.19

5.0
1.98
3.5
1.39

5.5
2.18
4.0
1.59

6.0
2.38
4.5
1.79

6.5
2.58


スネークガイド(Snake guide)

太さを表す数字が大きいほど大きなガイド。#1より小さいガイドは後ろに/0を付けて表す。  例)右に行くほど大きいガイド #2/0 #1/0 #1 #2 #3

材質はステンレスワイヤーが一般的だが、表面に硬いチタン化合物を化学コーティングしたものや、高価だがチタン製のものも売られてい る。海外のフライロッドはトップから3〜4番目まで#1でその後少しずつ大きなサイズにしてストリッピングガイドの前が#3また は#4となっているものが多いが、国産の渓流用フライロッドは、それより1〜2サイズ小さめのものを使う傾向にある。

ワイヤーがループになってガイドの足が片側だけのシングルフットガイドは、ブランクに取り付ける時の位置調整が面倒だが、すべりが良く ルーミス社のロッド等に採用されている。

参考) スネークガイドの大きさ(英国Hopkins & Holloway社)

大 きさ 外径(mm)
スネーク シングル
#2/0
5.84
-
#1/0
6.17
-
#1
6.60
6.22
#2
7.49
7.11
#3
7.87
7.62
#4
8.76
8.26

参考) ガイド取り付け例

ロッド
top <   ガイドの大きさ   > butt
9'0" #4
#1
#1
#1
#1
#2
#2
#2
#3
#4
12
9'0" #6
#1
#1
#1
#2
#2
#2
#3
#4
#4
12
9'0" #8 saltwater
#3
#3
#3
#3
#3
#2
#4
#5
20
25
8'0" #4 bamboo
#1
#1
#1
#1
#1
#1
#1
#2
#2
8

黄色網掛けはストリッピングガイド


ストリッピングガイド(stripping guide)

最もバット側のガイドはフライラインを引く負荷が直接かかるので、スネークガイドではなくリング型のガイドを取り付ける。メーカーは日 本のFujiが有名で、このガイドだけは普通の釣具店で入手可能だ。フライ用にはスピンキャスト用より足の短いものを使う。ストリッピングガイドのリング には、タングステンカーバーイト、ハードロイ、ゴールドサーメット等の硬い材質が使われている。大きさの単位はリングの内径をミリメートルで表す。



ガイドの位置

ガイド取り付け位置は、ファーストアクションロッドはティップ側に集まり、スローアクションはティップからバット側まで均等に取り付け る傾向にある。

トップガイドと最初のスネークガイドの距離はロッドの特性にもよるが大体11〜14cm。ティップのテーパーがきついティップア クションは短く、逆にスローアクションは長めにする。スネークガイドは、バットに向かうに従い少しずつ間隔が広がるようにセットす る。バットからストリッピングガイドまでの距離は、バットのしっかりしたファストアクションロッドだと 80cm位、ショートロッドやスローアクションロッドだ60cm位になる。

ガイド位置を大まかに決めたらマスキングテープで実際に取り付けて下記を繰り返して微調整する。

負荷をかける

ガイドをマスキングテープでロッドブランクに仮止めして、ラインを通してロッドに負荷をかけ曲げてみる。このときガイドの両 側のラインとブランクの角度がほぼ均等でストレス溜まる場所がないようにガイドの位置を調整する。

キャスティングする

フライラインを通して実際にキャスティングして、ロッドパワーの伝達がスムーズでポーズ時に不自然な振動が出ないガイド位置を探す。 ティップスピードを上げるにはガイドの重さは軽いほど良いが、実際のキャスティングではガイドの重さが振り子のように作用して上手くマッチングすると、す ごく投げ易いロッドになる。キャスティングの感覚は個々のキャスティングスタイルと感性の問題なので数値化することはできないが、ガイドの数、大きさ、位 置を色々調整して試してみてはどうだろう。

スパインとの関係

フライロッドのガイドはフォワードキャストの直進性を重視してスパインの反対側に取り付けるのが一般的だが、フォワードキャストの遠投 性と、魚をかけたファイト時にがスパインの向きに捻れる力がかからないように、スパインの側にガイドを取り付けるメーカーもある。またこれらの中間を取っ て、ティップセクションはスパインの反対側、バットセクションはスパインの側にガイドを取り付ける人もいる。