ストライクインデイケーターは用途に応じていろいろな種類があるが、自作すれば形状、大きさ、色などを自分の好みに合わせものを安価 で自由に作ることができる。

中通しインディケーター


浮力のある発泡材の中心にティペットを通し、ピンで固定するタイプのインディケーター。ストッパーのピンを緩めれば自由に動くので「た な」を簡単に変更で き、長時間使用しても沈むことがなく、丈夫で最も汎用性がある。しかし、フライが着いたままでは着脱ができないのと、硬いため着水時の衝撃が大きく、フ ラットウォーターでは、魚を驚かしてしまうことがあるのが欠点。

中通しインディケーター

作り方


材料

釣具店で売っている、発泡浮き用の発泡材と中通用のプラスティックチューブを使う。私は発泡材は8mm、チューブは外径2mmのものを 使っている。

発泡浮き材

中通し穴の加工

発泡浮き用の発泡材には中心に小さな穴が開いているが、小さいため中通用のプラスティックチューブを強引に通すとセンターが狂ってしま うため、ボドキンなどの針、ドリルの刃などを使って少しずつ広げる。

 

チューブの取り付け

芯材のプラスティックチューブを5cm位の長さに切る。中央部にカッター等で傷を付けると、接着部分が剥がれにくくなる。接着剤はエポ キシや、セメダインスーパーXが実績がある。瞬間接着剤は、発泡材が溶けてしまうので使わない方が良い。



整形

そのままの形だと、水の抵抗が大きく、ピックアップするときに大きな水音がして魚を驚かすことがあるため、両端を丸く削って水の抵抗を 小さくする。両端をカッターで荒く削っておおよその形を整えてから、心材のプラスティックチューブの片端を電動ドライバーのチャックに取り付け、#90位 のサンドペーパーで丸く仕上げる。


塗装

蛍光塗料のスプレーを使っている。塗料の種類によっては発泡材が溶けてしまうことがあるため、注意が必要。塗装が乾いたら、芯材の余分 なチューブをカッターで切り取ってできあがり。



ストッパーの作成

細いティペットをしっかり固定するには、テーパーが緩めの細いピンが必要。私は竹ヒゴを削って自作している。竹ヒゴはできるだけ表皮に 近い丈夫なものを選ぶ。竹串は表皮を外れた弱いものが多いので使わない方が良い。加工する前に色が少し変わるまで軽く火であぶると強くなる。カッター等で 大まかに形を整えた後、電動ドライバーのチャックに取り付けサンドペーパーで丸く仕上げる。




ヤーンのインディケーター


ポリプロピレン、ウールフリースなどのヤーン(繊維)で作ったインディケーターは、見やすく軽く着水時の衝撃が少ないため、フラットウォーターの釣りに向 いている。浮きゴムを外せば自由に動かせ「タナ」の変更も容易。しかし長時間使用したり渓流で流れに巻き込まれたりすると、水を吸って浮力がなくなること があるため、乾かして、フロータントをこまめに塗る等の手入れが必要

ヤーンインディケーター

作り方


芯材

竹ヒゴを細く削り浮きゴムの入る大きさに両端にテーパーをつける。 


ヤーンの取り付け

糸で芯材にフローティングヤーンを取り付ける。フライタイイング用のバイスとボビンを使うと作りやすい。写真のインディケーターはハー フヒッチとヘッドセメントでフィニッシュした。 



浮きゴム用の芯材だけを作っておき、インディケーターを使わないときに刺しておくと、ドライフライとインディケーターを交互に使うとき にすぐに着脱ができ便利。 


 

粘着面ではさむインディケーター


発泡ウレタン等の柔らかい発泡材の片面に塗った粘着剤でティペットを挟んで使う。取り付けると動かせないため、後から「タナ」の調整を することはできな い。剥がすと粘着面が荒れるので使い捨てになる。渓流をドライ主体で釣り上がっていき、淵などの大場所でちょっとだけニンフを使いたくなったときに便利。



作り方

裏面に粘着剤の着いた発泡ウレタンフォームを作りたいインディケーターの大きさに切り、ティペットを挟んで折り返す部分にカッターで切 れ目を入れ、蛍光塗料をスプレーして出来上がり。

フォーム材のカット 塗装