フライフィッシャーはプライドの高い人が多いようで、魚種や釣り方に強いこだわりを持ったり、他の釣りを軽蔑するような人もいるよう だ。私のフィッシングスタイルはそんな人たちと違い、どんな魚でも、どんな釣り方でも、フライで釣れるのなら何でも面白いと感じる、結構無節操なものだ。


近場の釣りが好き

魚種を選ばなければ、近場でもフライフィッシングを楽しめるところが結構ある。フライ雑誌に載っている渓流や湖だけが釣り場ではない。 私は、夜討ち朝駆けで高い高速料金とガソリン代を使って遠くまで遠征して疲れるより、ふらりと思いついたように休日の午後から出かけても楽しめる、近くの 川や、野池・管理釣り場等の安易さの方が好きだ。


魚種や釣り方にこだわらない

コイやボラなど一見フライで釣れそうもない魚を狙うのが、トラウトの釣りより楽しいと思うことがる。オイカワだって、集中して一期一会 の心で釣れば、それなりの緊張感と楽しみがあるし、外道とバカにされるウグイも本気で狙ってみると結構難しい。ウグイは底に付くことが多いので、フライを 沈めるのにかなりの技術が必要で、水面を流していれば勝手にフライに飛びついてくれる、活性の高いときのトラウトより難しいと思うことがある。 釣り方にもこだわらない。ドライやウェットなど特定の釣り方にこだわる人が結構いるみたいだが、私はドライ、ウェット、ニンフ等、何でもする。管理釣り場 でも一通りの釣り方を試す。その方が一日中同じ釣り方を通すより、飽きがこなくて楽しいと思っている。

コイ

お金をかけない

フライフィッシャーはきっとお金持ちが多いのだろう。フライ雑誌を見ていると、何十万円もしそうなバンブーロッドや、高価なリールを持 ち、何度も海外に釣行したりするのが当たり前のように掲載されている。私のような貧乏人にはとてもまねができない世界だ。私は高いウェアとか、高いリール とか、実用面にあまり関係ないブランド品にお金を使うのは嫌だ。そんなお金があれば、釣行回数を増やすか他のことに使う。

ロッドも値段と性能・使い勝手は必ず比例するものではない。高級なロッドでも特殊なコンセプトで作られた物の中には扱いにくいアクショ ンのものがあるし、逆に安価なパーツを使っていてもブランクのバランスが良ければ素直で使いやすいアクションになる。うまく選べば安価なロッドも充分実用 になる。

コックハックルを除き、高価なマテリアルはあまり使わない。似たような代替品を探すし、シンセティックマテリアルもよく使う。トラウト は、マテリアルの値段でフライの品定めをしている訳ではない。アメリカの有名なフライショップ Kaufmann's Streamborn のカタログではシースルファーの代用にアンゴラ・ゴートを  We guarantee fish can't tell the difference. −魚は違いを語れない(判らない)ことを保証する。 と勧めている。私はこの言葉が大好きだ。値段だけでなく、コンドル、マコー などワシントン条約に該当するようなレアマテリアルはもちろんのこと、できるだけ野生の鳥獣類のマテリアルの使用を避け、環境への影響を少なくすべきだと 考える。