北山川水系のアマゴ 2004/5/23 曇り時々雨 
場所:三重県尾鷲市 
BACK  TOP
週末の土曜日に、matt walkerさん、ヨッシーさんと十津川水系に出かける約束をしていたのだが、突然のトラブルで出勤となりやむなく断念した。しかしずっと楽しみに待っていた週末の釣行を諦めきれず、前回の宮川のOLMで知り合った『M』さんに無理を言って、翌日に北山川水系の谷に同行して頂くことになった。『M』さんはテンカラの釣りをされるのだが、以前から実際の釣り方を見てみたかったので楽しみだ。

今回入ったのは三重県側を流れる谷で、穏やかでフライ向きの渓相をしている。上流部は1枚岩の階段状の流れになり美しい。谷に沿って林道が通っていて帰りも楽だ。

 
遡行しやすい穏やかな渓相
画像は『M』さん提供
釣り
魚影は結構濃く、ここぞと思うポイントでは必ず魚の反応がある。水温が上がり活性が高いのか、比較的流れのある場所でライズする事が多かった。しかしなかなかフッキングできず半分以上はバラしたが、7尾のアマゴを釣ることができた。今回、『M』さんは自分は先行者を気にしないと、ポイントを先行させてくれるのだが、私が釣った後でもしっかりアマゴをかけているのには驚いた。テンカラの威力は想像以上だ。ちなみに『M』さんはキャッチ&リリース否定派だそうだが、今回釣ったアマゴはみんなリリースされていた。『M』さんに言わせると、リリースではなく、いらないから捨てているのだそうだ。
画像は『M』さん提供

天然のアマゴ

今回釣れたのは15cm位の小型が多かったが、パーマークが丸く前回の十津川、宮川で釣ったアマゴと違っていた。『M』さんによると、この地方のアマゴの特徴だそうだ。腹には大きめの黒班が二つあり、これも以前釣ったアマゴと異なる。同じ紀州でも水系により一目で判る明確な差が出るのが驚きだ。この美しい宝石のような容姿は、おそらく氷河期の終わりの陸封から長い時間をかけて獲得してきたものだろう。このネイティブな個体群が養殖魚の放流や環境破壊で途絶えないことを祈りたい。

テンカラとの出会い
以前より、和式フライフィッシングのテンカラの釣りには興味があったが、実際の釣りを間近で見せてもらい、しかもテンカラ竿を振らせてもらうチャンスに恵まれた。『M』さんはラインにテーパーのあるより糸ではなく4号のフロロカーボンのモノフィラメントを使っている。この方がラインの重さで毛針が手前に引かれることがなく釣りやすいそうだ。その先に目印の蛍光ラインをはさんで1.5号のハリスをつけ、仕掛けの長さは竿より2m程長い。『M』さんの釣りをみせてもらったが、振り込みはフライと同じで、バックキャストで跳ね上げたフライを、狭くスピードのあるループのフォワードキャストで的確にポイントに打ち込んでいく

意外と簡単
テンカラの打ち込みは難しいとのイメージがあったが実際に振ってみると、フライキャスティングとほとんど同じだった。軽いラインに最初は少し戸惑ったがすぐに慣れて狙った場所に毛針を落とせるようになった。

捨て針
フライフィッシングのように長く流すことはせず、テールのない#8-10位の大きな毛針を2〜3秒間隔で頻繁に打ち返えす。これは捨てバリといって、魚の感心を水面に向けさせるための技術だそうだ。フライフィッシングにも同じ場所に頻繁にフライを打ち込み、ハッチを演出するショットガンメソッドがあるが、テンカラの毛針の打ち込みは、水面に当たったフライが大きな波紋を作る程強い。これほど強いと魚が逃げてしまうのではと心配なのだが、ドライフライを何回投げても反応のない淵で、『M』さんにテンカラ竿を借りてこの方法を試したら、急にアマゴの活性が高くなり1尾釣れてしまった。捨て針の威力を目の当たりにして驚いた。


テンカラで初めて釣った記念すべき1尾

デッドドリフト
フライフィッシングと決定的に違うのがラインの扱いだ。短い竿と重いラインを使うフライフィッシングは、手元に落ちたフライラインが流れに引かれてドラッグがかかるのを防ぐため、リーチ、メンディングなど色々ややこしい技術が必要なのだが、テンカラはラインが完全に空中に浮いているためその必要が全くない。フライだと苦労する流れの向こう側の淀みを、ウソみたいに簡単に探ることができる。フライフィッシングでも何とかこの釣り方ができないものかと考え始めた。

釣果
 
フライ
カラー
サイズ
釣果
コメント
パラシュートコーチマン ブラウン #14
 5
ピーコックボディでテレストリアルを意識した
パラシュートマーチブラウン ブラウン #14
1
ブラウンハックルにクリームボディ 
『M』式テンカラ針 クリーム #10位
1
テンカラで釣った記念すべき1尾。ドライフライに反応しない魚を捨てバリで誘って釣った
   
合計
 7
サイズは10〜20cm(平均15cm)と少し小さめだが、みんな綺麗な天然アマゴ
食べる
釣り終わった後、『M』さんが鍋焼きうどんを作ってくれた。帰りに見つけて摘んだ新鮮な山山椒の葉が一枚入っている。うどん汁と山椒の香りがとても良く合って美味しかった。