天川C&R区間 2003/03/24 晴れ→曇り 水温計るの忘れた
場所:奈良県吉野郡天川村大字坪内付近 |
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天川に、待望のキャッチアンドリリース区間ができた。奈良県初の試みだそうだ。どうしても見てみたいので、解禁約1週間後の平日に釣りに出かけた。1日券を購入し朝6時半に弁天橋より200mほど下流のプールから釣り始めた。
C&R区間の案内。バーブレスフック以外使用禁止、ビク持ち込み禁止
ドライに反応がない
プールの開きにはたくさんのアマゴが泳いでいて期待できる。水生昆虫のハッチはないが散発的なライズがある。まず#16のブルーダンを流すがまったく反応なし。ミッジでも喰っているのではと、ティペットを0.1号まで落とし、#30のミッジを流してもだめ。ドライは水温が上がりハッチが始まるまで諦め、ニンフを沈めて釣ることにした。
最初に釣りはじめたプール
ニンフが当たった
結構水量があるので、浮き下2mでティペットにショットを付け、フライを変えながらプールの底を探っていたら、#15のビーズヘッドハーズイヤーで22cmのアマゴがやっと釣れた。その後、同じく#15のビーズヘッドフェザンテールニンフで同じ様なサイズを釣った。2尾ともパーマークがあまり目立たず銀色でウロコが剥げやすくシラメの傾向が強い。尻尾がすり切れて丸く、明らかに成魚放流だ。 C&R区間以外のようす
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パーマークが薄く一見ニジマスのように見えるアマゴ。今回釣った9尾中8尾はこのような放流アマゴだった。 |
尺物
10時過ぎに再びC&R区間に戻った。ミッジとメイフライのハッチが始まっていて、プールではアマゴがライズしている。しかしいろんなパターンを流しても全く反応しない。もじりのようなライズなので水面下を流れるミッジを喰ってるのではと、ミッジピューパを水面下数センチで流すがこれも効果なし。しかたがないので、ニンフに替え、プールの流れ込みに定位するアマゴを狙うとすぐに#15のハーズイヤーでヒット。その後#18のフェザンテールニンフでもう一尾かけるが、なかなか寄って来ない。スレかなと思いながら上げてみるとあれま、尺物! これも尾ビレの先が丸い成魚放流だが、フライで尺物を釣ったのは初めてなので嬉しい。
30cmクラスになると、結構精悍な雰囲気になる
メイフライのハッチ
昼頃からメイフライのハッチが多くなり、10mm位の結構大型のカゲロウ(たぶんマダラカゲロウ)のダンにアタックするアマゴが見えるようになった。場所をプールから瀬に変えて#14のブルーダンパラシュートでライズを狙って叩き釣りしたらとたんに釣れるようになり、5尾のアマゴをドライフライで釣ることができた。
上の画像は羽化に失敗して流れているイマージャー(スティルボーン)をすくい上げ、殻を外し指に乗せて撮った。くしゃくしゃだった羽根が少しずつ伸びて整って行き、この写真を撮った後、飛び立った。
ストマックポンプ
こいつらは今まで何を喰っていたんだろう。気になってしょうがないので、最近あまり使わないストマックポンプを1尾だけ当てることにした。ポンプにたっぷり水を入れ、口に差し込み、水を少し押し出してから引き抜く。この時無表情なはずの魚がすごく苦しそうに感じる。気のせいか目から涙を出しているようにも見える。そうだよなあ、胃カメラより遙かに辛いだろな(経験者語る)。内容物をシャーレに出すと中身は全てメイフライのダンとニンフだった。半分以上はミッジが混じると予想していたので意外だった。ずっとメイフライを選択的に補食していたようだ。いつも早春に効果的なミッジが効かず、大きめのフライが当たったのはこのせいか! もじるような小さいライズは、ひょっとしたらメイフライニンフのイマージャーを補食していたのかもしれない。そうだとしたら使うフライが違っていた。もっと早くストマックポンプを使うべきだったと後悔した。 左の画面がストマックポンプで採取したアマゴの胃の内容物。真ん中のダン(亜成虫)は飲み込まれたばかりなのか、まだ生きていた。 |
釣果
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ビーズヘッドハーズイヤー | #15 | ナチュラル | 2 | |
ビーズヘッドフェザンテールニンフ | #15 | ナチュラル | 1 | |
フェザンテールニンフ | #18 | 黒 | 1 | 尺アマゴはこのフライで釣れた |
CDCミッジ(ドライ) | #28 | 黒 | 1 | |
パラシュート(ドライ) | #14 | ブルーダン | 4 | 今回ハッチしたカゲロウに近いサイズ |
C&R区間の感想
C&R区間は管理釣り場を思わせるほど魚影が濃かった。解禁からわずか1週間しか経っていないのに、他の区間に比べ明らかに魚が多い。C&Rの効果と、釣り人によるキャッチ&キルの影響がいかに大きいかを実感した。他の区間は数週間で放流前の魚のいない川に戻ると思うが、C&R区間はおそらく現状を維持するだろう。奈良県初のこの素晴らしい試みを大いに歓迎したい。しかし心配もある。C&R区間は弁天橋から天川温泉付近までの約2km弱と短く、しかも釣りのできるポイントはそれほど多いわけではないため、休日・祭日にはかなりの混雑するかもしれない。また他の河川のC&R区間で聞くような、ルールを守らない釣り師が現れないかも心配だ。漁協ではぜひ厳しい監視を行って頂きたい。今回釣れた魚は放流魚だったが、自然繁殖による再生産の可能性はどうだろう?この短い区間で可能だろうか?
区間内に坪の内谷という沢が流れ込んでいるが、産卵には適しているだろうか? 等と色々なことを考えてしまう。とはいえ、解禁当初だけでなく、シーズン中いつでも満足な釣りを楽しめるC&R区間ができたことを素直に喜びたいし、今後の発展を期待する。
今回1尾だけ釣れた、天然もしくは稚魚放流と思われるアマゴ。来年にからこのようなきれいなアマゴがいっぱい釣れることを期待したい。 |
1日券 3000円
年券 10000円 この値段を聞くと中部、関東の人はみな驚く。中部以北は1日券500〜1000円位だ。C&Rによる再生産が可能になれば、成魚放流も不要になるので、せめてC&R区間だけでも、入漁料を関東並に下げることはできないだろうか? |