私はグルメではない私は一人一万円を軽く超えるような高級料亭や、有名なレストランの食事とは無縁な人間である。大トロマグロや、霜降り松阪牛、キャビ ア、フォアグラ、トリュフなどの高価食材にも無縁である。そしていわゆるグルメと呼ばれる、分析機器のよう鋭く、許容範囲がきわめて狭い舌の持ち主でもな い。味が濃かろうが薄かろうがそれなりに美味しいと感じる味に対して寛容な人間だ(単に味おんちなだけなのだがこう言うと聞こえが良い) 食への執着が強い私は食べることが大好きで、味に対する執着と好奇心が強い。特にまだ食べたことの無い料理、食材に強く引かれる。好き嫌いもほとんどな く、虫と爬虫類以外はほぼ何でも食べられる。うどんに七味を小さじ1杯入れても平気で食べられる辛さ耐性を持っているので激辛エスニックは大好物。スパイ ス・ハーブ類の強烈な香りも好きで、我が家でその匂いからカメムシの葉っぱと嫌われるシャンツァイ(コリアンダーの生葉)もへっちゃら。一方甘いものも大 好きで、ぜんざいをご飯の代わりに食べられる。胃袋もテフロン加工の丈夫さの大食いで、朝食でカレーライスを食べるのが好きな人間だ。要するになにを食べ てもうまいと感じる単なる悪食だ。 でもお金をかけない貧乏学生の頃の私は生活費を切り詰める手段として自炊をしていたため、食材のコストにはかなりこだわった。安い食材でどれだけ美味しい 料理が作れるかと色々試行錯誤した覚えがある。そのとき料理を覚えたせいか高い食材を知らないし使えない。もっとも私の場合、高い食材を買ってもそれを料 理する腕と味わう舌を持っていないので、スーパーで特売している食材が丁度良い。 そんな私の料理は
という悪食の果ての過程で自然に生まれてきたもので、これから紹介する私の料理は、男の料理というより、「主婦的な金銭感覚でセオリー を無視した味の冒険 をする」という表現のほうが近いかもしれない。 |